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2019.08.01

夏バテは“ 体温調節障害 ” 、 熱中症は“ 体温調節破綻 ”

今年の初夏は過ごしやすく涼しいくらいでしたが、梅雨明けとともに本格的な暑い夏が来ました。過去のブログからの引用ですが、わかりやすく修正したつもりですので、ご参考していただけましたら幸いです。

夏バテは、暑さ・寒さの体温調節“ 障害 ”、熱中症は、暑さによる体温調節“ 破綻 ”です。

人は約36~37°Cの狭い範囲で体温を調節している恒温動物です。暑さを皮膚で感じると体温調節中枢が皮膚の血管に「汗を出して体温を下げろ」と指令を出します。この命令により血管が拡張し血流を増やし、発汗し気化熱によって皮膚温度を下げます。一方、寒さを感じると体温調節中枢が体に「熱を逃がさないようにして熱を作れ」と指令を出します。血管を収縮し熱を運ぶ血流を抑えますが、それでも体温が下がり続ける場合、熱を作るように筋肉をブルブルと震わせて熱を作ります(寒気・悪寒)。

夏バテは、エアコンがきいた室内の低い温度と30℃を超える外気温との温度差ギャップをうまく調整できなくなり、体温調節中枢が“ 障害 ”され、一連の自律神経失調症状「食欲不振」「身体がだるくてやる気がでない」「眠れない」「めまいでふらふらする」「下痢・便秘」などがみられます。

熱中症は、長時間の猛暑によって体温調整中枢が“ 破綻 ”し、過剰反応により大量発汗と体内の水分や塩分が失われ、低ナトリウム血症・脱水による頭痛、痙攣、意識障害へと進展します。「めまい、立ちくらみ」「筋肉痛、こむら返り」「大量の発汗」「頭痛」「吐き気・嘔吐」「倦怠感」「意識障害」「痙攣、手足の運動障害」「高体温」といった重篤な症状に陥ります。

予防対策は、夏バテ①こまめに塩分・水分補給をする、②温度差や体の冷やし過ぎに注意する(外気温との差を5℃以内に)、③睡眠をしっかりとる、④1日3食、いつも以上に栄養バランスを心がける(タンパク質、ビタミンB1など)

熱中症は、夏バテ予防①〜③に加えて、④暑さを避ける(こまめに日かげで休憩を)⑤尿量・尿の濃さなどを目安に水分・塩分補給をするなどです。

今年の夏の暑さは急でハンパありません。実際自分では夏バテか熱中症かなんてわかりませんので、何かおかしいなと思ったら、日陰で安静、頸部を冷やす、できたら水分摂取して安静してください。それでも改善がなければ、周囲の人に声をかけて救急車を要請して下さい。暑さに負けるのが悔しいので、ある程度の暑さを感じ慣れつつも、場合によって無理せず清清しい夏の日々を送りましょう。

院長