睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群とは

sas睡眠中、10秒以上呼吸が止まる無呼吸状態が平均して1時間に5回以上繰り返される場合、睡眠時無呼吸症候群が疑われます。
睡眠1時間あたりの無呼吸ないしは弱く止まりそうな低呼吸が5〜15回で軽症、15〜30回で中等症、30回以上で重症とされ(1時間あたりの回数を指数としたものがAHIと呼ばれています)、重症の場合には無条件で治療が必要とされています。
睡眠時無呼吸症候群は呼吸が止まることにより、心臓、脳、血管に負担をかけるため高血圧症、脳卒中、狭心症、心筋梗塞など循環器病の合併リスクが高まります。
また十分な睡眠が得られないことから日中の日常生活に支障をきたすような眠気が襲ってくることがあり、交通事故などの原因ともなっています。

睡眠時無呼吸症候群の原因について

睡眠時無呼吸症候群の大半を占める閉塞性睡眠時無呼吸タイプは、物理的に上気道がふさがれることで呼吸が止まります。肥満による脂肪や気道周辺組織の肥大化、舌根(舌のつけ根)の落ち込みが主な原因です。アルコールや睡眠導入剤の摂取時には筋肉が弛緩して、より症状が強く出ることがあります。
一般的に以下のような症状が見られますが、セルフチェック(https://659naoso.com/check)でもご確認できます。

  • 大きないびきをかく
  • 日中に異常な眠気を感じる
  • 起床時に熟睡感がない

睡眠時無呼吸症候群は心不全、不整脈などの合併症を伴うことがあり、3~4倍危険性が高くなります。

睡眠時無呼吸症候群の診断

一晩の睡眠をモニターして無呼吸の状態を確認します。簡易型の計測機器を貸し出してご自宅で検査していただくことが可能です。通常は入院してセンサーを取り付けて寝ていただくことで、無呼吸回数やいびきの状態、脳波や睡眠の深さなどを記録します(ポリソムノグラフィー検査)が、簡易型の機器でも診断に必要な情報が得られるようになっています。睡眠時無呼吸症候群の検査は健康保険が適用になります。
簡易検査にかかる費用は、3割程度で1回3,000円程度となります。

無呼吸の種類

睡眠時の無呼吸は原因によって次の3種類のタイプに分けられます。

閉塞型

のどの部分が狭く、睡眠中に上気道がつぶれやすくなるために、閉塞して空気が通らなくなるタイプです。3タイプの中ではもっとも多く、95%以上を占めます。肥満のある人、あごが小さく後退している人に多くみられます。

中枢型

何らかの原因で呼吸の指令を出している呼吸中枢が睡眠中に活動を停止するため、呼吸が止まるものです。気道の閉塞はありません。まれなタイプで、心不全との関連が指摘されています。

混合型

中枢型ではじまり、次いで閉塞型無呼吸に移るものです。中枢型よりは多いものです。これは、閉塞型の一部としてみられます。

睡眠時無呼吸症候群の治療

CPAP療法

「CPAP」とは、Continuous Positive Airway Pressureの略で、日本語では「経鼻的持続陽圧呼吸療法」といい、略称から「シーパップ」と呼ばれます。AHI≧20(1時間当たりの無呼吸および低呼吸が20回以上)の閉塞性タイプでは保険診療の対象となっています。
圧を加えた空気を鼻から送り出し気道を押し広げて閉塞を予防します。無呼吸の発生を感知すると送り出す空気の圧力を自動で高め、反対に無呼吸が治まると圧力を下げます。
日本や欧米ではもっとも普及した治療法で、ほとんど副作用もなく、長期にわたって有効な治療法です。睡眠中の酸欠状態が改善され、睡眠効率が上がることで慢性疲労を劇的に改善することが知られています。当院ではこのCPAP療法を取り扱っておりますので。ご希望の方はお気軽にご相談ください。
治療にかかる費用としましては、3割負担で月4,500円程度のご負担となります。

マウスピース

検査の結果、軽症であった場合に適応となります。スリープスプリントとも言われ、下顎を上顎よりも前方に出すように固定させ上気道を広く保つことができます。作製の際には、専門の歯科医へお願いすることとなります。

外科的治療

アデノイドや扁桃肥大などは摘出手術が有効であることがあります。