胃カメラ(胃内視鏡)

胃カメラとは

内視鏡胃カメラは、食道、胃、十二指腸を観察し、必要に応じて組織診断もできる検査機器です。技術の進歩により挿入される内視鏡スコープの径も細くなり、昔とは違って“苦痛の少ない検査”となってます。
当院では、さらに“恐れず” “苦しくなく” “楽に”検査を受けていただけるよう、鎮静剤を使用した経口内視鏡検査と、鼻からスコープを挿入する経鼻内視鏡検査をご用意しており、診療日である月曜、火曜、水曜、金曜、土曜の午前中と午後(夕方)に行っております(土曜は午前のみ)。ご予約は基本的に診察をさせていただいた後に行なっておりますが、バリウム検査結果で精密検査が必要となった場合など目的がはっきりしていれば電話でのご予約も可能です。検査前に説明させていただく同意書は下記リンクよりダウンロードできますのでご参照ください。
ご不明な点などございましたらお電話にてお問い合わせください。

2つの挿入方法

鎮静経口内視鏡検査

経口内視鏡検査内視鏡スコープを口から入れて食道、胃、十二指腸を観察します。「苦しい検査」と思われるかもしれませんが、近年の検査ではスコープが細くなって刺激が少なくなるとともに、鎮静剤を併用することでウトウトしている間に検査が終了するなど、患者様の負担や不快感を大きく減らす工夫をしております。内視鏡検査は早期に病変を発見するには大変有効な検査ですので、「苦しい、つらい」というイメージも大きく変わりつつありますので、躊躇せず検査を受けていただきたいと思います。

経鼻内視鏡検査

経鼻内視鏡検査口ではなく、鼻から極細の内視鏡スコープを入れて食道や胃を観察する胃カメラです。鼻から入れることで、舌の奥にある嘔吐反射を起こす部位に触れないために、えづきにくくなっています。モニターでみながら検査を受けたい、鎮静剤を使いたくない、検査後仕事の予定があるという方におすすめです。また、経鼻内視鏡検査であっても不安がある方には鎮静剤を使う検査を行うことが可能です。

こんな症状のある方は胃内視鏡検査を受けましょう

初期の胃がんは自覚症状がありません。ただ、胃がんは早期に発見すれば完治できる病気になってきました。がんやポリープ、潰瘍の早期発見、診断に胃内視鏡検査は欠かせません。観察だけでなく組織採取(生検)もできるため、早期のがんの診断に非常に有効です。
胃がんのリスクが高まる40歳を過ぎたら毎年内視鏡検査を受けることをおすすめします。特に以下のような症状、嗜好、環境がある方は胃がんの発症リスクが高いと考えられます。できるだけ早めに検査を受けるようにしましょう。

  • 胸焼け
  • ゲップが出やすい
  • 空腹時の胃もたれ
  • 胃が痛む
  • のどの違和感、食事がつかえる
  • ピロリ菌に感染している
  • 40歳以上で一度も胃内視鏡検査を受けたことがない
  • お酒をよく飲む
  • タバコを吸う
  • 辛い、しょっぱい食べ物が好き
  • 親族に胃がん患者がいる
  • 家族がピロリ菌に感染している

当院の特徴

当院の内視鏡検査は、患者様の負担を軽減するとともに、病変を見逃さない正確な画像診断ができることが大きな特徴です。

 経験豊富な日本消化器内視鏡学会専門医による検査

内視鏡当院の院長は日本消化器内視鏡学会専門医の認定を受けております。院長はこれまで大学病院等で内視鏡治療を中心に研鑽を積んでまいりました。これまでの経験や知識と最新の内視鏡システムを駆使し、患者様には負担の少ない内視鏡検査を提供いたします。初めて検査を受けられる方もお気軽にご相談ください。

苦痛を軽減した胃カメラ検査

内視鏡患者様に鎮静経口内視鏡検査か経鼻内視鏡検査かを選択していただくことができます。
鎮静経口内視鏡検査の場合には鎮静剤を併用して苦痛を和らげます。ウトウトしている間に検査が終了しますので、とても楽に検査を受けていただけます。
嘔吐反射を不安に思っている方には、鼻から極細のスコープを挿入する経鼻内視鏡を使用することで、これを軽減することができます。

ウトウトしている間に検査が終わります

休憩適量の鎮静剤を使用することで、検査時の苦痛を和らげることができます。ウトウトしている間に検査が終わりますので、苦痛から筋肉が緊張してさらに苦痛がひどくなる悪循環を回避できます。鎮静剤を使用した検査はすでに多くの医療機関で行われている安全な検査です。当院では、患者様の年齢、性別、健康状態、その他を考慮した上で適量の薬剤を使用すること、検査中には心肺機能モニターを装着していただくことで、より安全に検査を受けていただくことができます。

注:鎮静剤を使用した場合、事故防止のため検査後の自動車、バイク、自転車の運転はお控えください。また、検査後30分ほどリカバリーベッドで安静にお休みになっていただきます。

大型ハイビジョンモニター・拡大観察

モニター内視鏡のモニターもハイビジョン化が進んでいます。画像が鮮明になることで微妙な患部の変化も容易に認識できるようになり、より早期の病変発見が可能になります。
光の反射や映り込みなどによる見えにくさも解消されていています。モニターが見やすく鮮明な画像が得られるということには、診断の精度が上がって早期発見・治療に役立つというメリットと、検査時間を短縮して患者様の負担を軽減できるという大きなメリットがあります。

富士フイルムの最新内視鏡システム「ELUXEO 7000システム」導入

当院では、最新の内視鏡システムとして、富士フイルム社製「ELUXEO 7000システム」というLED光源搭載機器を導入しています。このシステムは画像強調観察BLI/LCI機能に対応しており、白色光と短波長狭帯域光の発光強度比を制御することで、専用スコープによる微細な構造や微妙な色の違いを強調表示できます。マルチライトテクノロジーの採用により、炎症の迅速で正確な診断や早期の微細ながんの発見と診断を強力にサポートしています。

BLI画像

経鼻内視鏡 EG-840Nの導入

新たに導入した経鼻内視鏡システムは、以前の今までの胃カメラに比べ、画質の向上を実現しています。
これにより、拡大機能のない太い胃カメラと比較しても、遜色のない高品質な画像を提供できるようになりました。患者への負担を最小限にしながら、より詳細で鮮明な観察が可能となり、正確な診断と治療が可能です。

最新の画像ファイルシステム「C@RNACORE」

C@RNACOREは、各種モダリティと連携し、レントゲン画像を含む検査情報を一元管理し、画像処理などを行い、画像診断を行います。
画像以外の検体検査データもひとつの画面に表示することで、診療業務の効率化を図ることができます。
情報管理の安全性を向上させつつ、院内外のモバイル端末などからもアクセス可能にします。これら2つのシステムが相乗効果を生み出し、クリニックのIT化を進め、診療の質とサービスの向上に寄与します。

胸部X線画像病変検出ソフトウェア【CXR-AID】

健診や通常の診察時において、胸部疾患(肺がん、肺炎、結核、気胸など)の早期発見が極めて重要です。このため、胸部X線検査が行われます。肺がんは男性で第1位、女性では大腸がんに次ぐ第2位の死因とされ、早期治療が不可欠です。

当クリニックでは、富士フイルム株式会社の「胸部X線画像病変検出ソフトウェア CXR-AID」を導入し、AI技術を活用した迅速な撮影・診断環境を提供しています。これにより、患者様に対して迅速で正確な検査を行います。

AIシステムは、自動解析により胸部X線画像の結節や腫瘤影、浸潤影、気胸など病変が疑われる領域を検出・マーキングし、医師の診断をサポートしています。これにより、迅速で正確な診断が可能となり、患者への適切な治療が提供されています。

ヒートマップ表示機能を搭載

当クリニックのAIシステムは、病変が疑われる領域を自動解析し、0~100の確信度に基づいて色分けされた視覚的にわかりやすい表示を提供しています。この仕組みにより、医師は画像をより効果的に評価し、病変の可能性に対する確信度を視覚的に把握することができ、迅速で正確な診断が支援されています。患者に対しても、分かりやすい情報が提供され、治療方針に対する理解が深まります。

スコア表示機能

画像で映し出された確信度の最大値を数字で表示します。

胃カメラでわかる病気

内視鏡検査(胃カメラ)といえば胃がんの検査というイメージがあるかもしれませんが、じつは数多くの病気やその兆候を見つけることができます。

逆流性食道炎

胃酸が逆流して食道を傷つけてしまう病気です。逆流が繰り返されると、食道にただれや潰瘍を生じ、胸焼けを感じたり、口内が酸っぱくなる不快な呑酸(どんさん)を感じたりします。

食道がん

初期にはあまり自覚症状がありませんが、進行すると食事がつかえたり、チクチクした刺激を感じたりします。さらに進行すると咳、血痰、声のかすれ、胸や背中の痛みなどの症状があらわれ、体重が減少します。
食道には血管やリンパ節が多数集まっているためがんが転移しやすく、内視鏡検査による早期発見がとても大切です。

胃潰瘍

自らの胃酸と消化酵素によって粘膜や筋層が傷つけられて出血するものです。ピロリ菌の感染やストレスなどが原因と考えられていますが、解熱鎮痛薬(NSAIDs=非ステロイド性抗炎症薬)が原因となることもわかってきました。
胃もたれ、吐き気、みぞおちあたりがしくしく痛むなどの症状がありますが、悪化した場合には胃に穴が空いて(穿孔)吐血することもあります。

 十二指腸潰瘍

患者様の大多数にピロリ菌感染が見られます。空腹時に上腹部が痛むのが特徴です。胃潰瘍と同様に自らの胃酸と消化酵素によって傷つけられますが、十二指腸は壁が薄いために穿孔が起きやすいといわれています。

急性胃粘膜病変(AGML)

胃や十二指腸に粘膜のびらん、潰瘍、出血などを伴う症状の総称です。突然、上腹部やみぞおちに激しい痛みや吐き気を覚え、嘔吐したり吐血したりします。ピロリ菌感染、過度の飲酒や刺激物の過剰摂取、精神的ストレスや身体的疲労、解熱鎮痛薬の影響などによって発症します。

アニサキス(寄生虫)

魚介に寄生する寄生虫アニサキスに感染するもので、激しい腹痛や吐き気を催します。急性胃粘膜病変の一つにも数えられます。内視鏡によって取り除くことができます。(http://www.aoki.clinic/blog/251/

ピロリ菌

胃の中に感染する細菌です。ピロリ菌に感染していると、胃がんをはじめ様々な疾患の要因になると考えられています。当院ではピロリ菌の除菌治療も行っております。

検査の流れ

経鼻内視鏡

経鼻内視鏡は、経口とは違って舌に触れることなく食道を通過しますので、オェッとなる咽頭反射が出にくい利点があります。検査中は会話も可能ですので検査に対する緊張感や恐怖感も軽減されます。検査時間は5~15分程度です。

  1. 観察の邪魔となる胃の中の泡をなくすために、消泡剤を飲みます。
  2. 左右の鼻腔に局所血管収縮剤をスプレーします。局所血管収縮剤は一般的に鼻づまりに対し使われる薬で、鼻腔を広げてくれます。
  3. 通りのいい鼻腔を決めていただき、その鼻腔内に局所麻酔薬を少しずつ注入していきます。口の中まで落ち込んできた局所麻酔薬は飲んでいただきますが、これはのどの麻酔も兼ねます。
  4. 鼻腔の通りの確認と麻酔の追加のため、細く短いチューブを通します。
  5. ゆっくり鼻腔を通し、検査スタートです。

経口内視鏡

ほとんど寝ている間に検査が終了します。検査終了後は鎮静剤の効果を軽減させる薬を使用し、リカバリールームでしばらく休んでいただきます。帰宅可能となっても鎮静剤の効果が残りぼんやりとしてしまうことがありますので、当日の乗り物での来院やその後の運転は禁止です。検査時間は5~15分程度です。

  1. 鎮静剤を使用するため、点滴を入れます。
  2. 観察の邪魔となる胃の中の泡などをなくすために、消泡剤を飲みます。
  3. のどに局所麻酔薬をためて、しばらくしたら飲み干します。
  4. 鎮静剤を注射して、検査スタートです。

料金表

1割負担 3割負担
胃内視鏡 (観察のみ) ¥2,000前後 ¥6,000前後
胃内視鏡+ 病理組織検査 ¥3,000 -4,000前後 ¥9,000 -12,000前後